ネオンテトラ飼育入門

ネオンテトラの習性

小さい魚の画像

淡水魚は気性が荒い品種も多いですが、ネオンテトラは例外で非常に温厚です。 メダカやグッピーと同等に大人しい魚で、ある程度病気にも丈夫な品種といえます。

小さく、野生環境では捕食されやすい品種なので、性格は臆病です。水草に隠れていたりして、 人間の手を見てもサッと逃げたりしますが、外敵のいない水槽の環境に慣れてくると 徐々に水槽内を自由に泳ぎまわります。1週間もあれば環境に慣れてくれますね。

元々はアマゾン川に生息している魚でしたが、その美しさからペット用として好まれ、 後に時間をかけて品種改良され、日本の水道水でも簡単に飼育できるようになりました。

今は安価に買えますが、昔は大変高価な魚でした。野生種は水道水に 慣れてくれなく、品種改良を繰り返して水道水でも飼える品種になり、 効率良い繁殖方法も解明されてようやく安価な魚になりました。

ネオンテトラに最も適した水質はph6.5程度で、弱酸性を好みますが ph6~8程度までは適応できます。また水道水でも飼育可能です。

元々はアマゾン川原産の品種ですが、世代交代を繰り返しながらphや 軟水の環境に適応した改良品種が流通しているわけです。

水温は26℃がベストですが、24℃~32℃の範囲内で飼育可能です。 夏場は水温が上がりすぎないように水槽のフタを開けましょう。

なおネオンテトラは低水温に弱い魚です。20℃以下ではまず死んでしまいます ので、冬場の水温チェックは重要ですし、年中水槽用ヒーターを使用しましょう。

またネオンテトラは群れで、集団で生息している生き物なので、 単独飼育はなるべく避けて、複数で飼育した方が調子が良いと思います。 ちなみに泳ぐスピードは速いほうですね。細長い魚は泳ぎが速いです。驚いて逃げる時のスピード はかなりのものです。

あとは日陰など、暗い所を好みます。アヌビアス・ナナなどの大きめの水草などを水槽に入れて あげると、良い隠れ場所になります。なるべく暗めの環境で飼育したほうが良いでしょう。

水質に関しては、出来るだけテトラ社の「アクアセイフ」という 水質調整剤で水のphを下げておくと、魚の発色もよくなります。カルキ抜きした水道水でも 飼育可能ですが、できるだけ弱酸性が好ましいですね。

水道水のphは地域にもよりますが、大体7.2程度とほぼ中性です。 アクアセイフは規定量か、やや少なめの量を入れておくとベストです。



 

ネオンテトラのオスメスの見分け方

オスメス共に色は全く同じですが、オスはスマートでヒレは少し大きく、 反対にメスは体内に卵を持っているので少し丸いですね。 スマートならオス、少し丸いのがメスです。

なお飼育の際には、メスはオスの倍程度いるほうが好ましいです。メスが少ないと オス同士で奪い合いがおきやすいですね。

 

ネオンテトラが群れなくなった

ネオンテトラは通常、群れで生活する品種ですが水槽で飼っていると 外敵がいなく、安全なので群れが自然に薄れたりします。

これは自然な事なので気にすることはありません。ただ臆病な性格でもあるので、 水草などの隠れ場所を用意してあげると落ち着きますよ。

 

ネオンテトラの体質

ネオンテトラは、熱帯魚の中でも比較的速く泳げる品種です。 水流を好むので、上部フィルターなども飼育に適しています。最低でもエアストーンで 水槽内に少し水流がある状態にしましょう。

水流は自然環境と同じく、水面に水の流れがあり、水槽の底は水流が 穏やかなのが理想的です。水の流れが全くない、完全止水は好ましくありません。

また健康な個体ほど発色が良く、スイスイ泳ぎます。逆にあまり泳がない個体は 調子が悪いので買わない方がいいです。

もし飼育中に調子が悪くなった魚がいた場合は、単独の水槽に隔離して 魚用の治療薬を使用して薬浴させます。方法は以下で説明します。

 



ネオンテトラの寿命

ネオンテトラは、平均して2年程度生きますが、オスよりもメスの方がやや長寿ですね。 生命力の強い個体は3年程度生きる場合もあります。オスは2年、メスは2~3年 程度の寿命をもっています。

また寿命は環境にも左右されます。水温変化が少なく、極端な低水温や夏場の高水温(35℃など)を 経験しなければ寿命は長いですが、水槽からの飛び出しなどの事故で短命な場合もあります。

 

ネオンテトラが群れなくなった

ネオンテトラは通常、群れで生活する品種ですが水槽で飼っていると 外敵がいなく、安全なので群れが自然に薄れたりします。水草を動かすために手を入れたりすると、 驚いて急に群れだしたりします。

これは自然な事なので気にすることはありません。ただ臆病な性格でもあるので、 水草などの隠れ場所を用意してあげると落ち着きますよ。

 

ネオンテトラの病気

ネオンテトラは、近縁種のカージナルテトラと同じく「ネオン病」という 特有の病気にかかることがあります。

魚同士がぶつかりあったりして、傷が出来た際に菌がはいり、 体の表面、特に下部が白くなる病気です。 これは海外からネオンテトラの輸入時に多いモノです。

大きめの水槽では比較的起こりにくく、早めに治療すれば 治せる可能性のある病気です。

ただし放置すると徐々に衰弱して死んでしまいますので、 ネオンテトラの体が白い個体がいないかはこまめにチェックして あげましょう。

ネオンテトラの治療用に30cm水槽を用意されておくことをお勧めします。 少々手間ではありますが、魚の薬浴にはかかせないですね。

治療方法は、体に白い部分が出来たネオンテトラを別の水槽に移し、 治療薬の「グリーンFリキッド」を規定量入れて、徐々に水温を上げて 水温30℃で1週間程度、単独飼育して下さい。

エサは2、3日与えず、その翌日から少しずつあげる位で充分です。 白い部分が無くなり、体色が戻れば治療成功ですが、成功率は あまり高くないのが現状です。

他には白点病や尾腐れ病がありますが、これは水質が良くないと かかりやすい病気です。

水質の変化が緩やかな、大きめの水槽では病気は置きにくいです。 ネオンテトラは水量の多い水槽で飼う方が断然楽ですよ。

なお「グリーンFリキッド」は万能な魚の治療薬です。ネオンテトラに限らず、 他の熱帯魚にも使えますのでぜひ常備しましょう。

 

ネオンテトラの繁殖

ネオンテトラは卵や稚魚を食べてしまうので、一般的な飼い方では繁殖は 非常に難しいです。金魚と同じく、オスとメスを1匹ずつ小さい水槽に入れて 産卵させないと殖やせません。

繁殖の手間や時間を考えると、やはり成魚を購入したほうがはるかに楽ですね。 ただロングフィンなどの珍しい個体をブリードしてみたい場合には 挑戦してみる価値はあるかもしれません。

 

ネオンテトラの混泳

ネオンテトラは大人しい魚なので、他の魚との混泳も可能です。同じくらいの大きさの 淡水魚ならどの品種でも可能ですが、ネオンテトラを食べかねない大きさの魚は 避けて下さい。

また、ヤマトヌマエビなどのエビ類は他の魚を襲うので危険ですね。 他にも貝類は逆にネオンテトラに食べられる恐れがあります。