コリドラス飼育入門
投稿:2019/11/10 更新:2019/11/24

コリドラスの種類

コリドラスには大変多くの種類があり、簡単に入手できる品種もあれば、熱帯魚店でも 滅多に見られないようなレアな品種もあります。ここではポピュラーな品種をメインに 紹介していきます。


ショートノーズタイプ

ショートノーズタイプとは、顔が短くて小柄なタイプのコリドラスです。お店でよく見かけるのは このタイプですね。可愛くて人気のある品種が多いです。群れで生息する習性があるので複数飼いで 飼育しましょう。

コリドラス・アエネウス(赤コリドラス)

赤コリドラス
入手しやすさ ☆☆☆☆☆
飼育容易度 90点
相場価格 200円〜300円
体長 約4cm
寿命 約3〜7年

体が赤黒いコリドラス。最も一般的なコリドラスで、性格もおとなしく、大変丈夫で一年中お店で 購入できる品種です。初心者にも最も適しています。


アエネウス・アルビノ(白コリドラス)

白コリドラス
入手しやすさ ☆☆☆☆☆
飼育容易度 90点
相場価格 200円〜300円
体長 約4cm
寿命 約3〜7年

赤コリドラスのアルビノ品種で、真っ白な体に赤い目が特徴。アルビノながら大変丈夫で繁殖も容易です。 定番の品種で、赤コリドラスと基本的に同じように飼育できます。活発に泳ぎ回る入門種ですね。 通常アルビノ品種は病弱なイメージがありますが、コリドラスに限っては例外で、タフな品種です。


コリドラス・パレアタス(青コリドラス)

コリドラス・パレアタス
入手しやすさ ☆☆☆☆☆
飼育容易度 100点
相場価格 200円〜300円
体長 約4cm
寿命 約5〜7年以上

体の上半分が淡い青色で、少し濃い斑点がある美しい品種。赤コリ、白コリよりもさらにタフな品種で 病気にも低水温にも強いです。コリドラスの中では最も丈夫な品種なので、初心者には一番適した品種と いえそうです。また長寿になりやすいので長期間の飼育を前提にして下さい。ちなみに背ビレの長い ロングフィンタイプもいますがやや高価になります。


コリドラス・パンダ

コリドラス・パンダ
入手しやすさ ☆☆☆☆
飼育容易度 70点
相場価格 200円〜300円
体長 約5cm
寿命 約5〜7年

コリドラスの中でも最も有名で、姿がかわいい品種です。目と尾ヒレの付け根、背ビレに黒い線が 入っていて、顔がパンダのように見えるのでこの名前が付きました。若干飼育が難しいと言われますが、 成熟した成体は丈夫です。まだ成熟していない幼魚の段階だと水質の変化に弱くデリケートです。 幼魚で飼うなら、しっかりと時間をかけて水合わせを行って水槽に入れてあげましょう。初心者には しっかりと大きくなって泳ぎ回る個体を買うのがベストな品種といえます。

人気があるので入荷ペースも速く、ブリード個体が大半です。また「ロングフィン・パンダ」という 背ビレの長い品種もあり、こちらは1匹千円前後になります。ペットショップよりも熱帯魚店の方が 入手しやすいです。


コリドラス・ジュリー

コリドラス・ジュリー
入手しやすさ ☆☆☆☆
飼育容易度 80点
相場価格 ブリード種は400円〜500円、ワイルド種は約1000円
体長 約5cm
寿命 約3〜7年

黒い線が全身に入った、縞模様のコリドラス。見栄えがよく人気が高いです。流通しているのはブリードが 多く、南米で採取されたワイルド(野生種)品種もあります。ワイルドはやや黄色い体で、細かく黒い点が 入っており、見た目は異なります。またワイルド品種でも丈夫なのでブリードと同様に飼えます。

ブリード種はペルー産「コリドラス・トリリネアータス」と酷似しており、違いはジュリーの方が体の黒い線が より長く、線がつながっています。とはいえ非常に似ていて性質も同じなので混泳も可能です。 姿の似た近縁種が多いので、「本物のジュリー」はなかなか見られないのが現状です。

コリドラス・ジュリーとコリドラス・パンダをかけ合わせた「ジュリパン」という品種もあり、 両方の模様を持ち合わせた姿のコリドラスも流通しています。


コリドラス・ステルバイ

ステルバイ
入手しやすさ ☆☆☆☆
飼育容易度 90点
相場価格 ブリード種は500円〜900円、ワイルド種は約4000円
体長 約6cm
寿命 約3〜7年

黒い体に白い点が入った美しい品種。胸ビレは黄色やオレンジで、丈夫な品種です。人気が高いので 大型熱帯魚店でもよく見かけることが出来ます。少し体高が高いので存在感がある品種ですね。

東南アジアでも多くブリードされているので、ステルバイにもアルビノ品種があります。しかし 通常の白コリ(アエネウス)よりも体高が高いので判別は容易ですね。また個体差もありますが 人を見ると逃げて隠れる習性があり、物陰からそっとこちらを見る仕草がかわいいですよ。


コリドラス・アドルフォイ

通常のタイプのアドルフォイ
入手しやすさ ☆☆☆
飼育容易度 70点
相場価格 ブリード種は1600円前後、ワイルド種は約3000円前後
体長 約5~6cm
寿命 約3〜7年

目と背中の部分に黒いバンドが入り、その間にオレンジ色が入る美しい品種。弱アルカリよりも 弱酸性で飼育すると調子が良く、オレンジ色がよりキレイに出ます。コリドラスの中では最も 派手な色あいの品種で、アドルフォイの群れは大変美しいですね。

コリドラス・パンダと同様にまだ小さい固体が販売されている事が多く、幼い個体はデリケートで やや飼いにくいですが、5cm以上に育った成体なら丈夫なので飼育が容易になります。 ブリード、ワイルド種が流通していますが飼育難易度は変わりません。

アドルフォイに似た品種「コリドラス・デュプリカレウス」もあり、黒い線の太さの違いによる 亜種もあります。(ハイバンド・アドルフォイ)またエラの後ろ部分が赤い「レッドチーク・アドルフォイ」 もあり、いずれも高価です。


コリドラス・ベネズエラオレンジ

オレンジ色のコリドラスのオス
入手しやすさ ☆☆
飼育容易度 90点
相場価格 600円前後
体長 約5~6cm
寿命 約3〜7年

赤コリ(ステルバイ)よりもオレンジ色が強い品種で、個体差が大変大きく、オレンジが強く出ている 個体もあれば控えめな個体もあります。コリドラスの中では最も色あいにバラツキがある品種だと思います。

通販よりも熱帯魚店で実物をみて購入するのが無難で、好みの色あいの個体を選びましょう。 赤コリと同じくらい飼育しやすいですが、最近は流通量が少なく、相場も上昇している品種ですね。 ややレアな品種なので、大型の熱帯魚店くらいでしか見れないですね。


コリドラス・シミリス(バイオレット)

コリドラス・バイオレット
入手しやすさ ☆☆☆
飼育容易度 70点
相場価格 1000円前後
体長 約5~6cm
寿命 約3〜7年

別名コリドラス・バイオレット。スポット状の点がたくさんある品種で、ショートノーズの中でもより 顔が短く、丸っこい印象のあるコリドラス。少し淡水フグに似た可愛らしさがあります。 尾ひれ付近がやや紫がかるので「バイオレット」の名前が付いたようです。

豹柄のようにも見える独自の体色が体の前半分を占め、人気がありややデリケートな品種なので ブリード個体でも高価です。慎重な水合わせと大きな水槽での飼育がお勧め。


コリドラス・ゴッセイ

黄色いヒレのコリドラス
入手しやすさ ☆☆☆
飼育容易度 90点
相場価格 4000円~5000円(ワイルド)
体長 約5~6cm
寿命 約5〜10年

体が焦げ茶色で、胸ビレと背ビレが鮮やかな黄色になる品種。美しく丈夫ですが、この品種は毒が強く、 ストレスで毒を出したり背ビレで刺したりするので要注意。

ヒレの色が濃い品種は毒が強いですが、このゴッセイに刺されるとかなり痛いので要注意。 輸送の際にも、他の魚とは一緒にしないのが普通です。購入時はゴッセイのみを袋に入れるように 注意しましょう。

このゴッセイの毒は他のコリドラスへの悪影響も心配なので、ゴッセイを飼育するときは 水槽にはゴッセイのみで飼育するようにしましょう。他の魚との混泳も危険です。


セミロングノーズ系

セミロングノーズは、ショートノーズよりも少し顔が長く、ロングノーズよりは小さい品種です。 実際はショートノーズとあまり変わらない飼育難易度で、独特の体色と個体差の大きいグループです。

コリドラス・アガシジィ

黒い背ビレのコリドラス
入手しやすさ ☆☆☆☆
飼育容易度 80点
相場価格 800円~1300円(ワイルド)
体長 約5~6cm
寿命 約5〜10年

白い体に黒のスポットが無数に入る品種で、背ビレは一般的に黒い固体が多いです。目の後ろに 黄色い線が入りますが、個体差が大きく、各色の濃度はバラツキがあります。

このアガシジィは熱帯魚店でも割とよく見る品種ですが、このアガシジィと良く似た品種も多く、 正確に見分けるのは困難です。実際に野生のアガシジィの群れに他の似た品種が混じっているのも よくあるパターンで、黒のスポットの大きい・小さい固体もよくいます。


コリドラス・ヴァージナエ

黒い線の入ったコリドラス
入手しやすさ ☆☆☆
飼育容易度 80点
相場価格 約1800円(ワイルド)
体長 約4~5cm
寿命 約5〜10年

コリドラス・パンダの色を薄くして、スマートにしたような外観の品種。体の黒色は薄く、 ヒレは透明です。流通量は少なく、なかなかレアな品種でもあります。

それほど人気のある品種ではないですが、パンダほどの存在感はなく、明るい底砂にもマッチする 絶妙な色あいをもっています。少し小さめの品種なので水槽内でもうるさくならないのが魅力。


ロングノーズ系

ロングノーズは、顔がやや細いタイプで、全体的にスマートな印象を受けます。ショートノーズとは 違った雰囲気の品種も多く、群れを好むタイプと単独を好むタイプに分かれます。また大型種や 水質に敏感で飼育難易度の高い種もいるので上級者向けですね。

コリドラス・ブロッキー ヴィッタートス

黒い点の入った、青白いコリドラス
入手しやすさ ☆☆
飼育容易度 80点
相場価格 約2500円(ワイルド)
体長 約5~6cm
寿命 約5〜8年

ロングノーズ・コリドラスの入門種。ショートノーズとは違った顔立ちながら、買いやすさは同等。 群れを好むので3匹以上で飼育したい品種です。また個体差も非常に大きいので、実物をしっかり見て 好みの個体を買うのがベストです。

流通量は少なく、お店ではあまり見られないので、じっくり入荷を待って購入するしかないです。 または通販で探して購入する場合が多い品種といえますね。


コリドラス・バルバータス

コリドラス・バルバータス
入手しやすさ ☆☆☆☆
飼育容易度 40点
相場価格 約3000円(ブリード)~約6000円(ワイルド)
体長 最大10cm
寿命 約3年〜7年

ブラジル原産で、コリドラスの大型種として最も有名な品種。かなり水質にデリケートで飼育はやや難しいです。 成長すると最大10cmになるので他のコリドラスとの混泳は難しく、60cm水槽で飼育できる ギリギリのサイズだと思います。

サイズが小さい固体は比較的安価に販売されていますが大型化することを前提に飼育しましょう。 弱酸性の水で大事に育てると、オスは非常にカッコいい色あいになります。メスは全体に色が薄いので 見分けるのは容易だと思います。