コリドラス飼育入門
投稿:2019/11/04 更新:2019/11/27

コリドラスの特徴

コリドラスは温厚で、群れを好む魚です

コリドラス・パンダ

コリドラスは非常に大人しく、温厚なので他の魚を攻撃したりせず、尚且つ群れでの行動を好みます。 また、熱帯魚なので低水温に弱く、そして極端な高水温にも弱いです。コリドラスの生息に適した水温は 20℃~24℃で、最高30℃程度まではなんとか耐えられます。また変温動物なので水温=体温です。

経験上、24℃~26℃の水温で飼うのがベストですね。真夏の高水温にはやや弱いので、放熱の為に水槽のフタは せずに、出来れば水槽用の扇風機や水槽用クーラーがあるとベストです。水温が30℃を超えない様に 注意して飼育しましょう。

コリドラスは水中の酸素濃度が重要で、エアレーションさえしっかりしていれば高水温でもある程度は平気です。 酸素濃度が低いと酸素を求めて水面近くまで来ます。強めのエアレーションで、水流を作ってあげると 調子よく育てられますよ。

またphに対する適応能力が高く、弱酸性から弱アルカリ性まで適応できますが、他の淡水魚と同じく ph6.5程度の弱酸性がベストですが、水道水そのままのphでも飼育は可能です。また軟水を好む ので、日本の水道水(軟水)が飼育に適しています。

ちなみに軟水とは、ミネラル分が少ない水のことで、反対にミネラル分が多い水は硬水といいます。 ミネラルウォーターやヨーロッパ方面の水道水は硬水になります。

他の淡水魚と同じく、急激な水質の変化には弱いです。大量の水換えや、急な水温の変化は コンディションを著しく落とすので必ず避けるようにしてください。

また、水流を好むので水槽にはある程度の水の流れがある方が良いです。上部フィルターか底面フィルター、 あるいはブクブクでも良いので、水槽全体に水流がある環境が望ましいです。水流の無い止水は好みません し、寿命が短くなる傾向があります。

またコリドラスは小型魚ですが、稀に大型化する個体もいます。それでも8cm程度ですが、通常より大きくなる 個体もいますので念頭に置いて下さい。



コリドラスはナマズの仲間

コリドラスは南米原産のナマズの仲間で、ちょうど日本のナマズの胴体を短くして小型化したような 感じです。ナマズの小型種と考えると分かりやすいかもしれません。正式には ナマズ目カリクティス科コリドラス亜科コリドラス属に分類される生き物です。

一般に流通している品種のほとんどは、南米ではなく東南アジアで養殖(ブリード)された改良品種で、 非常に丈夫で日本の水道水にも適応しますが、一部のワイルド品種は南米で採取された野生種なので 販売数は少ないですが、飼育は容易な品種が多く、ブリードと同じように飼う事ができます。


可愛いコリには毒がある

一部のコリドラスの胸ビレのトゲ部分には毒があり、胸ビレの色が濃い品種にはその傾向が強いです。 弱い毒なので危険性は低いですが、念のため直接手でコリドラスには触れないことをオススメします。

またコリドラスから見ても、人間の体温は36.5℃と「熱過ぎる」ので触れられるのは嫌がります。 水槽から移動させる場合は必ずアミやコップ等ですくうようにしましょう。


水底で活動する生き物です

コリドラスは「底棲魚」(ていせいぎょ)、「底魚」(そこうお)といって、水底で生息する生き物です。 水底で沈んだエサを探し、小さなヒゲで砂などの障害物を退けます。なお水草やコケはあまり食べません。 なおごく一部の品種は水底より上の中層域で活動するものもあります。

雑食性で、肉を好んで他の魚の食べ残し、魚の死骸、微生物やミミズ、枯葉等を食べます。赤虫が好物ですが、 人工のエサでもどんどん食べます。沈んだエサを食べるので、沈下性のエサやコリドラス用のタブレットを 与えるようにしましょう。なお見た目より大食いです。


コリドラスは種類が多い

コリドラスは大変種類が多く、近縁種も多数で、野生種では正式名がない品種も多数あるくらいです。 覚えきれないほど多くの種類があり、レア品種ほど入手か困難です。他の熱帯魚よりも遥かに種類が多い のが特徴といえます。


コリドラスはノーズで分類可能

コリドラスは鼻先が短い「ショートノーズ」、鼻先の長い「ロングノーズ」、そして両者の中間の 「セミロングノーズ」の3種類のグループに分けることができます。ただ流通量が多いのは 「ショートノーズ」で、赤コリ、白コリなどの改良品種がこれに分類されます。


品種によって性格は様々です

大変種類が多いだけでなく、品種により性格も様々です。基本的には大人しいのですが、人が来ると サッと隠れる品種もあれば、一切気にしない品種もあり、活発な品種もあればノンビリとした品種も います。水槽環境によって変わる場合もありますね。


コリドラスのオスとメスの見分け方

ナマズの仲間であるコリドラスは、オスもメスも色は同じですが、成体であればメスの方がふっくらと しています。上から見ると分かりやすく、メスはやや丸く、オスはスマートです。

また、オスよりもメスの方が大柄である場合がほとんどですね。メスが丸いのは卵を抱えているからで、 慣れてくるとパッと見でわかるようになりますよ。


繁殖は独自のスタイル

コリドラスは他の魚と違い、「Tポジション」といって独自の繁殖方法をとります。メスが直接オスから 精子を取り出して受精します。繁殖は容易な部類になり、数が多くて環境が良ければ自然繁殖も可能です。

改良品種の安価な品種ほど繁殖させやすく、初心者でも充分成功しやすいと思います。 卵の孵化率も高いので、挑戦してみるのも良いかもしれません。


エラ呼吸以外にも呼吸可能

コリドラスは、エラから水中の酸素を取り込むだけでなく、水面に上がって腸から直接呼吸することも 可能です。エラ以外からも呼吸できる水生生物はめずらしく、コリドラス特有のものですね。


薬品にはデリケートです

コリドラスは、治療薬や塩分に対する耐性は低いです。なので、魚用治療薬や塩を入れる場合は 徐々に入れて、規定量よりも少な目にして下さい。