コリドラス飼育入門
投稿:2019/11/01 更新:2019/11/27

コリドラスの水槽


コリドラスの水槽サイズ

コリドラス水槽

コリドラスは小型魚で、群れを好むので複数飼いが基本になります。最低でも9Lは水量のある水槽が 欲しいですね。理想は60cm水槽で、水量は約60Lになります。他の熱帯魚との混泳も可能なので、 1つの水槽に他の魚と一緒に飼うか、コリドラスのみの水槽で飼うこともできます。

なお、他の熱帯魚でも攻撃性の高い魚や、コリドラスを食べれるようなサイズの魚とは混泳できません。 コリドラスと同じくらいの大きさの、なるべく大人しい魚の方が望ましいですね。(ネオンテトラなど)


水槽サイズの見方

30cm水槽の図

水槽には大まかな規格があり、横幅で計ります。横幅30cmなら「30cm水槽」、45cmなら 「45cm水槽」、横幅60cmで「60cm水槽」と呼びます。水槽の高さや奥行きはバリエーションが あり、設置スペースにあわせて選んで下さい。

より小さい水槽もありますが、小さい水槽は水質が変わりやすく、また水槽用ヒーターの設置が 難しいものもあります。コリドラスの飼育には向かないと感じますね。 なのでコリドラス用水槽としては、30cm水槽~60cm水槽が無難だと思います。

体長3cm程度のコリドラスを基準として、30cm水槽なら5匹、45cm水槽なら8匹、 60cm水槽なら15匹くらい飼えます。やや控えめな数ですが、このくらいの数での飼育を オススメします。

上級者ならより多く飼育することは可能ですが、過密飼育は生体への負担が大きく、水換え頻度も 上がって難易度が高くなります。初心者の方はこのくらいの数で飼育すべきでしょう。

熱帯魚は少しでも大きい水槽で飼った方が水質の変化が少なく、病気も少なくなり水換えの頻度も下がるので 飼育が楽ですが、大きい水槽ほど重く場所を取るという難点もあります。 お部屋のスペースにあったサイズを選びましょう。



水槽について

水槽はガラス水槽やアクリル水槽、プラスチック製水槽などありますが、コリドラスを鑑賞するには やはり通常のガラス水槽がオススメです。形は一般的な四角の水槽が無難です。円柱状の丸い水槽も ありますが、熱帯魚の観賞には向かないと思います。

水槽は値段に幅があり、コリドラスは通常の金魚用水槽で充分です。水深はあまりいらないので、 少し背の低い水槽がベストマッチだと思います。安い水槽はプラスチックフレームで補強されており 丈夫で軽いです。高い水槽はガラスのみで構成されているので見栄えは大変良いですが耐久性は 劣ります。

初心者の方は、まずは安い水槽から始めましょう。大変丈夫なので10年はかるく使えます。 高価な水槽は、熱帯魚飼育に馴れてからトライするのが無難ですね。


コリドラス用の底砂を用意しましょう。

大磯砂レイアウト水槽
大磯砂レイアウト水槽

コリドラスは、水底を泳ぎ回ってエサを探す習性があります。なるべく自然環境に近付ける為にも 水槽には底砂を敷いて下さい。通常の大磯砂でもいけますが、より細かくて丸い砂がベストです。 逆に大きくて尖った砂はコリドラスのヒゲを痛めるので使用しないで下さいね。

コリドラス用の砂は細かいほど良いですが、あまり細かい砂は水変えの時に水槽用ホースで汚れと一緒に かなり吸われてしまいます。これは仕方がないので、吸い取った砂はバケツの中で水道水で洗い、 再度水槽に戻すようにしましょう。

大磯砂だとホースにほとんど吸われないので楽です。多くの熱帯魚店ではコリドラスも大磯砂で 飼育しているので、手間を省きたい方は大磯砂を使って下さい。また底面フィルターとの相性も 抜群に良いので、無難な選択といえます。

底砂に「ソイル」という、酸性の砂を焼き固めた丸い粒もありますが、あれはどうしても徐々に崩れて しまうので、コリドラスにはあまり適さないと思います。


田砂水槽
田砂レイアウト水槽

最もコリドラスに適しているのは「田砂」で、細かくて丸く、重いのでホースにもほとんど吸い取られ ません。また色も明るいので、大磯砂よりも明るい感じの水槽に出来ます。その代わり田砂は密度が高く排水性が 良くないので、田砂の下部分の水が痛みやすいです。その為田砂は厚み1cmから2cm程度に敷いて下さい。


ボトムサンド水槽
ボトムサンド水槽

次に良いのは「ボトムサンド」。「コリドラスサンド」とも呼ばれ、 これは田砂よりもより細かく、より明るい砂です。水中で砂煙が 上がるくらい細かく、魚に優しい砂ですが、軽いのでホースで吸われてしまう難点もあります。 新品を使う前に砂を水で洗う作業がありますが、ボトムサンドはこれが1番大変です。何回も洗う必要があります。手間がかかりますが その代わり見栄えの良さは1番良いと思います。

コリドラス初心者の方には、「大磯砂」をオススメします。間違いなく1番楽です。飼育に慣れてきたら 「田砂」や「ボトムサンド」に挑戦してみるのがベストかと思います。


コリドラス水槽には隠れ家を

コリドラスは基本的に臆病な性格です。外敵から身を隠せる場所を複数作ってあげると、ストレスが減って 落ち着いてくれますし、繁殖にも成功しやすくなります。水草や石、土管などを水槽に入れてあげましょう。

水草はプラスチック製の物でも構いません。本物の水草は日光がないと枯れてしまう草が多いので、本物の草なら最も枯れにくい 「アヌビアス・ナナ」という水草がオススメです。この草は日陰でも枯れにくく、水流さえあれば 生きていける水草です。成長が遅い欠点もありますが、非常に枯れにくいです。

石に関しては、尖った部分がなく、水質に悪影響を与えない物なら何でもいけますね。 水槽のレイアウトにあった石を熱帯魚店などで探して下さい。土管は焼き物やプラスチック製でも OKです。


コリドラスには水槽用ヒーターが必須です

コリドラスは南米の暖かい所で生息している生き物です。熱帯魚なので寒いと生きていけません。 水温が20℃以下は危険ですので、24~26℃で飼育するようにして下さい。 水槽の水温を保つために、水槽用ヒーターは必需品になります。

ヒーターは26℃固定式か、温度調整式を使用して下さい。金魚用の 18℃固定式はコリドラスには使用できません。なおヒーターの出力 は30cm水槽なら80w~100w、45cm水槽なら150w、60cm水槽なら 200w以上を使用して下さい。

ヒーターには寿命があり、2年程度と考えて下さい。。万全を期すなら 毎年交換するのが望ましいです。熱帯魚店ではやや高いので、Amazon などの通販で安く買うことをオススメします。

またヒーターは必ず水中に入れてからコンセントを挿して下さい。 水中に入れずにコンセントを挿すとヒューズが飛んでダメになります。 取り扱い説明書を熟読してからのご使用をオススメします。

最近はヒーターにカバーが付いた製品が多く出ています。魚を ヤケドさせないためにもカバー付きの製品を使いましょう。


水槽用フィルターも必ず使用しましょう。

コリドラスは水流のある環境を好みます。強い水流はいりませんが、水槽全体に水が循環する 程度の水流は必要になります。ベストなのは底面フィルターですね。排水性の良い大磯砂とのペアで しか使えませんが、水槽の濾過には1番良いです。

他に上部フィルター、外部フィルター、そしてエアーポンプを使った投げ込み式フィルターが あり、どれでもコリドラスに使えます。上部フィルターは結構な水流を作り、値段もやや安いので 適しています。そして外部フィルターは高価なのと掃除が大変なので初心者にはオススメしません。


最も安いのは投げ込み式フィルターで、手間も要らず比較的万能ですね。小さい水槽にも使えるので 最初は投げ込み式フィルターをオススメします。水流を作るためにエアー圧はやや高めで使用しましょう。

コリドラス水槽の水位

水槽でコリドラスだけを飼育する場合、さほど水位を高くする 必要はないです。水槽の最大容量まで水を入れずに、70%~80%位の 水位で飼うことで水深を浅くし、コリドラスに快適な環境にする 方法もあります。

野生のコリドラスは、水深の浅い、水流のある場所を好みます。 水槽をコリドラスに適した環境にすると、長生きしてくれやすいですよ。


水槽は定期的に掃除しましょう。

コリドラスをしばらく飼っていると、水槽の内側にコケが徐々に 生えてきます。水替えだけでは取り除けない汚れが出てきますので 定期的に水槽用スポンジで掃除しましょう。

熱帯魚はエサが多いほど、フンも増えます。こまめに大型スポイトや水槽用ホースで フンやエサの食べ残しを取り除いて下さい。

掃除を行う頻度は、コリドラスの飼育数や水槽のサイズにより 異なりますが、こまめな掃除を行い、常に水槽の底砂がキレイに なっているように心がけましょう。清潔な環境は魚の健康にも つながりますよ。


60cm以上の水槽には水槽台を

コリドラス水槽

水槽は単体では軽いですが、水を入れるとかなり重くなります。その為、水が入っている状態では 動かさないで下さい。無理に動かすと負荷がかかって水漏れの原因になります。小さい水槽でも、 動かすときは出来るだけ水を抜いてからにしましょう。

水槽は45cm以下の水槽ならまだ普通の台で平気ですが、60cm水槽は水を入れると約80kgにもなります。 水槽を置くための専用の台、水槽台を使うようにしましょう。大変丈夫で安定感があり、アクアグッズの 収納が出来るタイプも多いので、大変便利ですよ。


水槽の水が濁ったら

水槽を立ち上げて間がない場合、水中のバクテリアが少なくて水が濁る場合があります。 エアレーションをしっかり行うか、バクテリアの多い他の水槽の水を足すことで解消できますが、 数日かかることも多いです。エサを控えて濁りが取れるのを待ちましょう。 バクテリアが充分にいる水槽の水は非常に透明です。透明で無臭な水を心がけて下さい。


水槽の寿命

水槽は基本的には非常に長持ちしますが、ヒビや割れ、水漏れを起こすと寿命といえます。 最も多いのは「水漏れ」で、水槽の角からの水漏れですね。これは水槽に水が入っているときに 無理に動かしたり、角面のシリコンの劣化、角の極小の割れが原因で起こります。

基本的には水槽の修理は不可能ですので、その際には水槽を買い換える必要が出てきます。 不用な水槽は各自治体の処分方法で処分してください。(細かく割って、「燃えないゴミ」で 処分する場合が多いです)