ピンポンパール飼育入門

ピンポンパールの水換え

水換え水槽の画像

ピンポンパールの水換えは、水槽の大きさや飼育数、エサの種類、エサの量によって多少変わりますが、基本的には 週に1回、水槽の1/3程度を目安に新しい水に換えましょう。こうすることで、水槽内の水の水質を大きく変える ことなく、水の汚れを取り除くことができます。

水槽が小さい、または飼育数が多い、赤虫などの天然のエサを使っている、エサを与える回数が多い場合は、 それに応じて水換えの頻度を上げるのが望ましいですが、まずは週1回の水換えで様子を見てください。

水換えは大きく分けて「1週間に1回換える」か「3日程度で少しだけ換える」方法があります。どちらも正解ですが、 水換えの手間を考えると「1週間に1回換える」やり方の方が、作業の回数を少なく出来る分、楽かと思います。 作業を行う曜日を決めておくと、忘れる心配もないですね。

水槽は大きさに限らず、水量の1/3までの交換にしておいた方が無難かと思います。これは急な水質の変化は 魚に大変なストレスになるので、水を半分以上換えるのはやめておきましょう。中には水槽の水を全量換える 方もいるようですが、それでは水槽内のバクテリアもいなくなるので、魚には良くないと思います。


なぜ水換えをするのか?

ピンポンパールに限らず、魚は水槽内でフンや尿をします。これらの汚れが一定以上増加すると、魚の健康を害します。 尿(アンモニア)は水中のバクテリアに分解(生物濾過)され、亜硝酸塩になり、今度は違う種類のバクテリアに分解されて 硝酸塩になります。この硝酸塩が増えすぎると魚には有毒なのです。

この硝酸塩は、蒸発したり水草などの植物に吸収されますが、それでも一定量は水槽に残るものなので、 直接排水することで水槽内の硝酸塩の濃度を下げ、同時に水槽内の汚れも取り除くのが水換えの目的です。

この水換えを行わないと、どんどん水が汚れて臭くなり、最終的に魚も死んでしまいます。定期的な水換えは魚の健康を守り、 水槽内をキレイにして、臭いも防いでくれて、コケの予防にも効果があります。

水換えを行う判断基準として、水槽の水の「臭い」があります。キレイな水は臭いがしません。人間が水を嗅いで 「生臭い」と感じる状態は、かなり水が汚れている証拠です。すぐに換えた方がよいですが、この臭いが出る前に 水換えを行うのが理想的です。こまめに水の臭いを嗅いで、水換えのタイミングをつかんでください。


水換えの手順

まず、給水用バケツと排水用バケツを用意します。給水用バケツは新品で、一切洗剤を使用していない物が望ましいですね。 そして給水用バケツに水道水を入れ、水槽の水の水温とほぼ同じ水温にします。これは給湯器や水槽用ヒーターを使用してください。 水換え中に、徐々に水道水の水温が下がりますのでそれを考慮して2℃くらいは高めが理想的です。 そして市販のカルキ抜き剤を入れ、よくかき混ぜます。

この給水用バケツは、水槽の1/3以上の大きさの物を用意してください。この大きさなら、1回で給水に必要な 水道水を準備できます。なお排水用バケツも同様ですが、バケツはわりと「大は小を兼ねる」ので、 余裕を持った大きさの方が無難ですね。100均のバケツでも充分です。

次に、コップか水換えホースで水槽の水を抜いていきます。上部フィルター等が付いている場合はスイッチを切っておきます。 20L以上の水槽なら、水換えホースを使ったほうが楽だと思います。ホースで水槽の底部分の水と汚れを同時に吸い取りましょう。 水槽の1/3程度の水を排水用バケツに入れ、この古い水は捨てます。

まだ水槽内に目立つ汚れがある場合、大型スポイトで取り除きましょう。多少の汚れが残っていても大丈夫です。 次に給水用バケツの新しい水を足していきます。これもコップやホースを使います。

この給水は、なるべく時間をかけて行って欲しいですね。ピンポンパールは、水槽の水深が急に変わると浮き袋での 姿勢の制御が難しくなり、しばらくの間傾いたり転覆したりします。なかなか不器用な子なので、徐々に水深が変わる方が 理想的です。5分はかけてください。

また新しい水は、水槽とは水質の異なる水なので、なるべくピンポンパールには直接かけないでください。 魚が興味を示してよく寄ってきますが、できるだけ魚を避けて水を投入していきます。水槽から 抜いた量と同じ水量を足して、水換え完了です。


水換えの後は

水換えを行ったあとは、しばらくピンポンパールの様子を見ます。傾いていたら、水を入れるのが速いです。 調子が悪い、動きが鈍いようなら水換えのペースが速かった恐れがあります。 水換えを行っても異変がない、調子が良いのが、ちょうどよいペースの水換えになります。

排水用バケツは水槽の汚れが付いていますので、水道水ですすいで完了です。給水用バケツと水槽用ホースは また後日使用するので、水槽の比較的近いところに片付けます。ウチではバケツは部屋で保管してます。

なお水槽用に使うコップですが、これも洗剤はNGで水槽専用にするため、100均のプラスチック製をオススメします。 落としても割れませんし、金魚の緊急移動用にも使えます。またコップでなくても、割れなくて水がすくえる物なら どんな物でもOKです。

水換え直後は、魚へのエサやりはNGです。水換えで少なからずストレスがあるので、消化不良を起こしやすいです。 エサは水換えの前後、30分~1時間は開けてください。


ピンポンパールにもっともよい水を作る

これは少々時間がかかりますが、水道水を給水用バケツにくんでフタをせずに1~2日室内に置いておくと、 自然にカルキが抜けるので、カルキ抜きという薬品の入っていない、魚に優しい水を作れます。 アクアリウム上級者が推奨するやり方で、水換えでの魚のストレスも和らげてくれます。

水温は常温になっていますので、水換え前に水槽用ヒーターと水温計で任意の水温にする手間はありますが、 魚にとって最も理想的なやり方ですので、時間のある方は行ってみてください。

なお、真夏は3日以上バケツの水を放置すると水が痛んでくる(腐敗してくる)恐れがありますので、 暑い時期は2日以内でバケツの水を使うようにしてくださいね。

ちなみに水換えには、必ず水道水を使ってください。井戸水などの地下水は、ミネラル分が多い恐れがあります。 ミネラルが多いと「硬水」といい、水道水はミネラルの少ない「軟水」です。軟水の方がピンポンパールに適していますし、 地下水はphも大きく異なります。地下水は使用しないでくださいね。

水から魚に有害な重金属を無害化する水質調整剤もあります。気になる方は使用するのもよいですね。 あとは魚の粘膜を保護する働きのある商品などもあります。