ピンポンパール飼育入門

ピンポンパールのエサ

ピンポンパールは、金魚のなかでも特殊で、最もエサを取るのが下手な品種です。その為、 ピンポンパールの体型、習性に応じたエサの選び方、与え方があります。多く与えすぎない のが最初のコツですね。慣れないと、つい多くあげやすいです。

金魚は、見つけたエサを食べられるだけ食べようとします。常に空腹なように見えますが、 常にエサを探すのが金魚の習性なので、最小限の量だけを与えるようにしてください。

ちなみにピンポンパールは、2週間程度は何も食べなくても生きていけます。水中のバクテリアも 食べているのでしょうか、非常に飢えには強いです。これはほかの金魚も同じですね。 なお、金魚は雑食性です。柔らかい草やイトミミズも食べる魚です。


1、人工のエサ

ピンポンパールは金魚の一種なので、金魚用のエサが適しています。なるべく小粒タイプを 選んで下さい。意外とクチの小さい子もいるので、食べやすい大きさが望ましいのです。 また、小粒のエサは消化にも良いので、消化器官の弱い金魚には最適です。

ピンポンパールに最も適した人工エサとして、咲ひかり金魚(沈下タイプ)がおすすめです。 老舗メーカー、キョーリン製で、「ひかり菌」こと生菌剤配合で消化、吸収にも良く、 魚の体色を良くする「色揚げ」効果が高い商品です。

食いつきもよく、金魚用としては定番の商品ですね。ちなみにこの「咲ひかり金魚」は、 浮上性、沈下性タイプ両方ともありますので、沈下性の方を選んで下さい。

ヒカリ (Hikari) 咲ひかり金魚 育成用 沈下 200g

金魚のエサはどうしても余りやすいので、なるべく量の少ないパッケージを選びましょう。 パッケージには「消費期限」が書いてありますが、これは未開封の際の期限です。 開封すると、徐々に酸化して痛んでいきます。最低でも1年に1回は買い換えましょう。 理想は半年以内に買い換えて、古いエサを与えないことです。

古いエサは魚の健康に良くありません。開封したエサは冷暗所に保管してくださいね。

ちなみに、金魚のエサとしてフレークタイプやパウダータイプもありますが、 ピンポンパールには適しません。浮上性の粒タイプはまだなんとか食べられますが…。

なおフレークタイプのエサは購入しないことをおすすめします。あれは非常に 痛むのが速いです。ウチでは開封1ヶ月ちょいでカビが生えました。安売りされていても 買わない方がよいでしょう。


2、天然のエサ

ピンポンパールは、赤虫が大好物です。フリーズドライの乾燥赤虫でも冷凍赤虫でも 良く食べます。開封してすぐに与えられる乾燥赤虫の方が楽ですが、より生に近い 冷凍赤虫のほうが良く食べます。(解凍の手間はありますが。)

ただ、赤虫は小さいミミズなので女性にはやや扱いにくいエサかもしれません。 他にもフリーズドライされたミジンコやイトミミズも販売されていますが、 見た目が無理なら通常の、人工の粒のエサだけでも飼育できます。

「赤虫はいろんな魚の好物」ということを覚えておくと良いかもしれません。

ヒカリ (Hikari) 乾燥赤虫 徳用 15g


ピンポンパールのエサの与え方

エサは少なめにあげるのが、飼育の基本です。エサやり1回につき、2分程度で食べ着る量が ベストだと思います。なるべく金魚の目の前にエサが沈んで、見つけやすいように与えて下さい。

水温30℃以上 高水温に注意。1日に1回、少なめにエサやり。
水温25℃以上 1日に1、2回のエサやりを。
水温15℃~25℃ 1日に1回のエサやりで充分です。
水温10℃~15℃ 2日に1回のエサやり。
水温10℃以下 消化不良を起こすのでエサは無し。

エサを与える量は、ベストは本当に難しいです。金魚の体の大きさ、水温、体調、エサの種類 によって微妙に変わります。これはベテランでも悩む部分ですが、間違いなく言えることは 「少なめ」に与えることですね。

エサを一度に多く与えるのは百害あって一利なし、です。すぐに食べきる量を与えて、 食べ残したエサは回収して捨てます。エサを放置すると飼育水を痛めやすいです。

そしてエサを多く与えすぎると、消化不良を起こして下痢をしたりします。最悪の場合、 死因にもなりますので、一度に多くはあげないようにしましょう。


エサやりの時間帯

ピンポンパールへのえさやりは、日中に行いましょう。特にヒーター無しの場合は 徐々に水温が上がりだす午前中がベストです。ヒーターを使っている場合でも、 夕方にはエサやりを終えておきましょう。

夜間のエサやりは、金魚の健康面で良くないと思います。日中の活動が活発なときに エサをあげて、スムーズに消化させるのが理想的ですね。


フンを見て判断しよう

金魚が適量のエサを摂取していて健康な場合、焦げ茶色のしっかりしたフンをします。 これは健康な個体の特徴ですが、かなり細い糸状のフンや白いフンをしているようなら 消化不良の可能性が高いですね。

この場合は、エサが多い為に消化しきれていない可能性があります。3日程度は エサやりを絶ち、様子を見ましょう。エサを食べないことで消化器官が休められて 回復に向かうはずです。

それから前回よりも少ない量のエサを与えます。毎日こまめにピンポンパールを 観察して、弱っていないか、ちゃんと糞をしているか確認してくださいね。


ピンポンパールを小さく飼い続けるコツ

ピンポンパールも、徐々に成長して大きくなっていきますが、これはエサやりの 回数で成長速度を調整できます。1日~2日に一回のエサやりなら、かなり ゆっくりと成長するので、なるべく小さいまま飼いたいなら少ないエサやりを。

反対に、早く大きく育てたいなら、水温を26℃前後に保って、1日に3回の エサやりを続ければ、早く大きくなります。生まれてから3年目くらいまでが 成長期といえるので、この期間が勝負ですね。

生まれて間がない、稚魚の段階からこまめにエサやりを繰り返すと、驚くほど 早く大きくなります。ただピンポンパールは小さい方が可愛いですから、 少しのエサで長く飼うのがベターかもしれませんね。