メダカの卵

メダカの交配、産卵

メダカの卵をとりたい、どんどんメダカを増やしたい場合は、時期によってすぐに産卵させたり することもできます。夏場であればどんどん卵を産んでくれますが、逆に冬場は水温が低いので 難しくなります。

経験上、メダカは水温が20℃以上で、日照時間の長い時期ならばいつでも産卵できます。冬場に 卵をとりたい場合は、水槽にヒーターをセットして、水温25℃くらいに上げてから水槽用ライトを 日中付けておけば、しばらくして産卵してくれるようになります。

ただし、比較的容易に卵をとって繁殖させようと思うと、やはり産卵シーズンである夏場の方が なにかと楽です。冬場にじっくりとメダカに栄養をつけさせ、夏場にたくさん産ませた方が 一度に取れる卵の量も多いように感じますね。

メダカの卵

メダカのメスは直径2mmくらいの卵を産みます。

メダカの卵は、魚の体格の割にかなり大きく、しかも受精後は卵が硬くなり、人が触っても 平気なほど丈夫になります。なお受精卵は透明です。未受精卵は白いので簡単に見分けられます。

なおメダカの産卵は早朝に行うことが多いですね。
産卵後は卵を体にぶら下げたまま泳いでいますので、すぐに見つけられます。だいたいは 水草に卵が付くまで泳ぎ回り、夜には卵は体から取れている場合が多いです。

メスは少しずつ、たくさん卵を産むようになります。最初は卵が5、6個くらいでも、 多くなると20個くらいの卵を産むようになります。なお産卵期は4月から11月くらいまでです。 水温にもよりますが、春から秋にかけて産みます。夏場がピークで、夏は毎日のように産む個体も。

メダカのメスは、体内でドンドンと卵を作っていくので、お腹が膨らんできます。卵を産まないと さらに膨らみますし、またオスがいないとまず卵を産めません。定期的に卵を出せるように、オスが 同じ水槽にいるように飼育しましょう。

 

メダカの卵の取り方

採卵したい場合は、卵をぶら下げているメスを網ですくい、指で卵をつまんでゆっくりと 引っ張り取りましょう。透明な受精卵は丈夫なので平気ですよ。ただしこのやり方はメダカが 逃げまどうので、やや面倒な部分もあります。

もうひとつのやり方は、メダカの卵が自然にくっつくように毛糸の束や、ウィローモスなどの 水草を水面付近に浮かべて、それに付着した卵を取る方法です。ちょっと気長に待つやり方ですね。 いちばん手っ取り早いのは前者の直接捕まえて採卵する方法です。

採卵した直後の卵。このようにたくさんくっついています。

なお、たまにですが人間に触れられるのに慣れていない固体が、人に触れられた事に驚いて 体を硬直させてしまう場合があります。まるで背骨でも折れたような、妙な泳ぎ方をする事も。 これは驚いて体が硬直しているだけですので、それ以上触れないようにしましょう。経験上、だいたい 2,3日で元に戻ります。

   

メダカの卵の育て方

卵には糸状の粘着物が付いています。これは卵が草などに上手く付着するためのものですが 人の手で孵化させるのには邪魔なので、出来るだけ取り除きましょう。これは卵をティッシュの上で 転がすことで取り除くことができます。慣れないうちはなかなか取れませんが、多少残っても 構わないです。

メダカの卵は、およそ20分くらいはティッシュの上に置いておいても平気です。 粘着物が大体取れたら、タッパーなどの底の浅い容器に水槽の水を入れて、それに卵を沈めていきましょう。

なお、卵は水中で酸素を取り込み、呼吸しています。水深は4cm程度までにしましょう。水深が深いと 水中の酸素濃度が低くなり、酸素欠乏で卵はすぐに死んでしまいますのでご注意を。

卵は内部で細胞分裂を繰り返し、中の卵黄を消費しながら成長していきます。卵の膜は透明なので、 中でメダカの赤ちゃんが徐々に成長していく様を観察する事ができます。

できれば、こまめな毎日の水換えを行ってください。そうすると卵の孵化率も上がります。 最も良いのは、清潔な水道水を貯めておき、同じ水温で容器の水を7割くらい変える方法です。これですと 新鮮な酸素を含んだ水を供給でき、なおかつ清潔に保てます。

水換えの際はカルキ抜きは不要です。卵は塩素も平気で、良い消毒になります。ただし孵化が近い状態に なったらカルキ抜きした水道水に変えましょう。清潔な水道水はメダカの赤ちゃんを雑菌から保護してくれます。

また一番良くないのはグリーンウォーターで、卵の状態では大丈夫ですが、バクテリアなど雑菌も多く、 メダカの赤ちゃんも不潔な環境で死に易いです。孵化率・生存率ともに水道水が最善です。

悲しい事ですが、卵の状態でも死んでしまう個体もいます。死んだ卵は徐々に白く濁るのでわかります。 透明な状態から白くなった卵は死んでいますので、水カビが生える前に捨てましょう。

 

卵の孵化

卵は水温によって孵化するまでの期間がかわりますが、水温25℃程度ならだいたい7~10日間くらいで孵化します。 ちなみに水換えの水流で卵に刺激を与えていると、孵化までの期間が早まるように感じますね。

孵化した直後のメダカはぼんやりと水面を漂います。孵化を確認したら、今度は赤ちゃん用に もう少し大きな容器に移してあげましょう。あらかじめカルキ抜きした水道水を入れておくと楽です。 なおこの際は水道水100%でOKです。

赤ちゃんメダカはプラスチックのスプーンなどですくってあげると楽ですよ。孵化からおよそ3日は エサをあげる必要はありません。3日目以降は、市販の赤ちゃんメダカ用のエサをごく少量ずつあげましょう。

また、メダカは孵化直後に硬直するというか、仮死状態になる個体がいます。身体を伸ばしたまま 全く動かないので、まるで死んだように見えますが、まず生きています。1日程度そのままにすれば、 今度は元気に動き出す事がほとんどです。

メダカは1年で数百個の卵を産んでくれます。繁殖の際に何匹か死なせてしまっても、 あまり気にしすぎないことも必要かと思います。

初めてメダカの卵を扱う際は緊張しますが、慣れてくると非常に簡単です。あまり手をかけすぎないのも 大事ですし、経験がものをいうと思いますよ。

卵は水深の浅さ、清潔な水道水による水換えを心がければ高い孵化率を維持できます。 頑張って挑戦してみてください。

 

メダカが孵化しない時

メダカが孵化しない原因は、基本的には水温に原因があります。水温20℃以下の時は、2週間以上 経っても孵化しない時があります。この場合も時折水換えをしながら気長に待ちましょう。経験上、 3週間くらいでようやく卵が孵化したこともあります。

なるべく速く卵を孵化させたい方は、水槽用ヒーターの入った水槽に卵の入った容器を浮かべておくと 卵が容器ごと温められて孵化を早めることができます。水温が26度以上あれば、 卵はだいたい1週間程度で孵化してくれます。

 

メダカの赤ちゃんを育てる

ようやく生まれたメダカの赤ちゃんはとても小さく、そして可愛いものです。しかし、生まれて暫くしたら 死んでしまう個体もいます。また奇形の個体も生まれることもありますが、生存率は低いですね。 生命力の強い個体が生き残ります。悲しい部分もありますが、これは自然の摂理ともいえます。

また体が小さいので、水槽の水飼えの際に誤って水と一緒に捨ててしまわないように、細心の注意を はらってください。見落としによる事故もありがちといえます。

そして、メダカの赤ちゃんをしっかりと育てるためにも、メダカの赤ちゃんだけを入れた水槽で飼育 しましょう。小さいと親メダカに食べられてしまいます。最低でも体長1cm以上か、親メダカの半分 位の大きさになるまで育ててから親メダカの水槽に移しましょう。

 
 

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