金魚の飼い方

金魚の習性

たくさんの金魚の群れの画像

金魚は淡水魚の一種で、淡水域で生息する魚です。他の魚との大きな違いは、非常に温厚な性格でしょうか。 一部の品種を除いて温厚な性格で、他の魚を攻撃しにくい魚ですね。そのかわり逆に他の品種から攻撃されやすい 面もありますので、基本的には同じような体格、大きさの金魚同士でのみ混泳させます。

金魚には種類というか品種が数多くあり、主に体格や退色で分けられますが、基本的にはどれも川魚であるフナが 祖先です。なのでエサの好みも同じですが、体が細いタイプと、体が丸いタイプの2種類に分かれます。

体の細い、和金などの魚らしい体格の品種は、泳ぎが得意で素早く、少しだけ攻撃的な面があります。そして 体の丸い、リュウキンなどの体の短い品種は、泳ぎが不得意で遅いです。温厚で、おとなしいです。 なので、金魚を飼うときは同じ体格の金魚同士で飼わないと、エサを先に取られて食べれない子が出やすいですね。

金魚は臆病な性格なので、群れを好みます。なるべく複数で飼いましょう。単独飼育は金魚には向きません。 他の金魚を認識して仲間だと分かるようで、追いかけっこなども良くしますね。


金魚はエラ呼吸のみ

金魚は、エラから水中の酸素を取り込んで呼吸しています。なので、基本的には水槽にはエアレーションといって、 ブクブクと空気を出す装置(エアーポンプ)が必需品になります。ごく少数の金魚を飼うのであれば無くてもいけますが なるべくエアレーションをして、水中の酸素濃度を上げることで金魚の呼吸を楽にしてあげましょう。

ちなみに、水温が上がると酸素濃度が落ちやすいです。エアレーション無しだと高水温で酸素不足になる場合もあるので 要注意ですね。


金魚には胃がない

金魚は、魚の中でも珍しく胃がない魚です。代わりに腸でエサを消化・吸収しています。胃がないので満腹感が無いため、 いつでもエサを欲しがり、必要以上に食べがちな面があります。金魚の消化器官は弱いので、エサは必ず少なく与えて 消化不良を防止します。エサをあげすぎると、最悪の場合死んでしまう恐れも。

また水中のプランクトンも食べているようで、飢えに極めて強い面もあります。金魚よりも飢えに強い魚はちょっといないですね。 一ヶ月程度エサを上げなくても全く平気な魚なので、エサは毎回少量ずつ与えて、与えすぎないようにしましょう。


金魚のフン

金魚も時々フンをしますので、フンの色や太さで健康状態をチェックできます。健康な金魚は、太くて短いフンをします。 人工のエサを上げていれば、同じような色の茶色いフンをします。長さ3cmくらいのフンが理想的です。太いフンをする金魚は 健康で、エサの量もベストといえますね。

逆に、金魚が長いフンをする場合は要注意です。白くて長いフン(10cmくらい)をぶら下げて泳いでいる個体は 下痢や消化不良の可能性が高いです。2,3日はエサをあげずに、消化器官を休ませてあげましょう。エサの量が多すぎる、 または音や振動のストレスの心配もあるので環境の改善を。

金魚を複数飼っている場合、他の金魚のフンを食べてしまう個体もいますが、特に問題はありません。 雑食なので何でも食べてしまう習性があります。水草も葉を食べたりします。


金魚は冬眠できる

金魚は外国の熱帯魚などとは違って、冬場に水温が下がると冬眠ができる魚です。基本的には水温が5℃以下になると 活動が少なくなり、自然に冬眠に入ります。この間はエサを食べないでジッとしているので何もしなくて大丈夫です。

水面に氷が張っても平気で、基本的に金魚自体が凍らない限りは平気です。春になって水温が上がると冬眠から覚めますが、 屋外飼育でない限りは冬眠はなかなか観察できないですね。

屋内では、水温は下がっても10℃くらいの所が多いと思います。北海道だとまた違うかもしれません。冬眠を経験した 金魚は非常に丈夫に育ってくれるので、大きく育てたいなら屋外飼育も良いかもしれません。


金魚は「まばたき」しない

これも誤解が多いですが、金魚には「まぶた」はありません。生涯、目は開いたままです。目に丈夫な粘膜があり、 水中で乾燥もしないので「まばたき」もしません。魚類には「まぶた」は無いようで、まぶたのように見える器官を もった魚もいるようですが、魚はまばたきをしません。


水質・水温への適応力が高い

金魚は低phにも大変強く、ph4程度でも適応可能なので、屋外の池などで酸性の雨水の環境でも飼育できます。 水温も0℃~30℃くらいまで適応しますが、33℃くらいから危険になるので、真夏の直射日光には要注意です。 具体的には日よけを作って高水温を予防しましょう。

金魚は、室内よりも屋外で日光を浴びる方が体色がキレイになりやすく、丈夫に育ちやすいですね。逆に室内だと 体色は薄くなりやすく、寿命もやや短くなる傾向があります。


金魚に最適な水温

金魚が最も活発になる水温は、約26℃ですね。エサも良く食べ、よく泳ぎ回るので水槽用ヒーターで18℃以上にして 飼育すると、鑑賞に適した環境になります。金魚はヒーターなしでも飼える魚ですが、水温を維持したほうがエサの量を 水温で加減しなくて済むので楽ですね。


金魚には歯がある

パッと見ではわかりませんが、実は金魚には歯があります。咽頭歯(いんとうし)といって、クチの奥にあります。 エサを磨り潰す働きがあり、人工の少し硬いエサも平気です。

歯なので定期的に生え変わります。金魚を長く飼育していると、稀にポロリと咽頭歯を吐き出すこともあります。 白くて小さい、プラスチック片のような歯です。水槽を大掃除していると底に落ちていることも。見つけた咽頭歯は そのまま捨ててもらって大丈夫です。


金魚の寿命

金魚の寿命は、環境だけでなく個体差が非常に大きいですね。基本的には体の細い「和金」が丈夫なので長生きしやすく、 体の丸い「リュウキン」はデリケートで寿命の短い個体が多く感じます。環境によって寿命は半年~10年くらいでしょうか。 非常に生命力の強い個体なら20年近く生きた例もありますが、「寿命は数年」というのが正直なところです。

ちなみに、老舗の金魚店では年齢10年以上生きている長寿の金魚が販売されていたりします。極めて稀少なので値段も凄いですが、 体の大きさは圧巻です。機会があれば見て欲しいですね。